入口、座敷、奥の間、天井の高さ、戸袋、敷居や鴨居の段差。これら小さな要素が光の速度と拡散を左右します。午前と午後、晴天と曇天での差を観察し、反射率が高い面を連続させて導光する。鏡面ではなく半艶を重ねて眩しさを抑え、影の濃淡を活かすことが、古い空間の奥行きを守りながら明るさを伸ばす秘訣になります。
取り外せる光棚、既存を傷めない押し縁、既存ビス穴の再利用、目地を生かす仮固定。こうした配慮は、万一の撤去や修理を容易にし、歴史的価値を守ります。新設部材は既存材と識別できる微細なサインを加え、改修履歴の透明性を確保。未来の手入れ人が迷わない情報設計こそ、長寿命で持続可能な採光改修の土台です。
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